ヱフワンねーさん。

モータースポーツ中心に書いてるライターやまぐち禮の,F1を中心とした『モータースポーツ情報所見』。※お仕事に関する連絡はこちらまで★Twitter http://twitter.com/hgrn_6810_913
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"Pilote de guerre"
 情報を追っかける人間としては,もうそろそろその話題はいいんじゃないの?と思いながらも,まだブルデーのことが残念で仕方ないと思い続けてます。

 宿敵ポール・トレイシーが「このわたしですら今年のシートも獲れなかったこのご時勢だというのにあいつのことだ,どうせふらっと帰ってきたと思ったらトップチームのシートを簡単に掻っ攫って行くんだろうよ,ムカつくぜ(笑)まあインディに戻ってくる気があるなら歓迎するよ,こてんぱんにやっつけてやるのを楽しみにしているしね」なーんて愛憎たっぷりのコメントを早々と寄せてくださったりそれなりに明るいニュースもあったりするんですが。
 「この私ですら」って誰が「この」なのかという突っ込みは定番ですね。

 私は私でブルデーの今後についてああだこうだと考えすぎるあまり

 「も,もう面倒くさいからフォーミュラニッ(略)でいいじゃん!」

 と,ついうっかり思ってしまいそうになったり(笑)。
 ブノワ・トレルイエと親友同士で日本一速いフランス人の通り名を奪い合うとか。
 いやもうちょっと現在のFNが世界的に褒められるカテゴリなら薦めないでもないんだけど,現状じゃ彼にとっては小遣い稼ぎにさえなるかどうか。ああううう。

 で,私自身もこれほどまでにブルデーというドライバーに対して強く執着してるとは思ってなかったのよ。なんで,今の心境に正直言って驚いてます。ただ,長いこと見守ってきたことはたしか。昔F3で走っていた頃から,日本人ドライバーがチームメイトだったりしてなんとなく目にする機会が多かったので,自然と応援するようになってました。
 いろいろ調べて行くと興味深いことがわかってきたのもあって。

 フランス人であり,そしてフランスの街ル・マンと縁が深いところ,

 あ,この人,サン=テグジュペリみたい,と直感的に思ったんですよ。

 そんなことを妄想レベルで考えていたら,ある時ブルデーさんたら本当にアメリカに渡ってしまった。もうますますサン=テグジュペリの人生と重なってくるわけです。
 本の虫だった小学生の頃から,ずっと私の憧れだったサン=テグジュペリ。みすず書房の山崎庸一郎訳全集を全巻揃えたいという野望は今なお継続中です。大人になってから英訳本は何冊か読みましたが。

 サン=テグジュペリ(以下Saint-Ex)は,説明不要かもしれませんが第2次世界大戦時に作家として,また航空機の操縦士として著名だった人物で,戦いを憂いながらも当時の航空界の最前線を退くことなく仏軍II/33 部隊の偵察機で大西洋に単独出撃したまま消息を絶ち,現在に到ります。
 常に航空機や空へと執心していた反面,戦争には全面否定の意思を作品等で表現していたSaint-Ex。飄々と夢見がちで浪費家だったという小説家らしいプライベートが語られる一方で,大戦中という事情ゆえ地下出版を強いられる形となった代表作のひとつ『戦う操縦士』(原題"Pilote de guerre")には,自らの民主主義思想,反ナチ思想が余すところなく語られており,平和に対する強い思い,強い主張を持つ人でもありました。

 と。すごく長い前置きですみませんが。

 ブルデーも本当は人と競争することが大嫌いなのかもしれない,と思うことがあります。
 トレイシーが先日のコメントの中で「やつはアメリカですべてを手にしていた頃も苦悩し続けているような男だった。あれではF1に移ったところで,周囲に理解されなくても仕方ない」と語っていました。
 確かに勝つことは素晴らしいけど,その過程で様々な人を負かすことに対しては,本能的に快感を憶える人と嫌悪感を憶える人の2種類がこの世には存在するような気がするんですよ。

 フィギュアスケートの荒川静香さんがトリノで金メダルを獲ってからすぐに「私はもう十分やり尽くした。もう人と競争することから開放されたい。スケートすることは今でも大好きだけど,本当は子供の頃から地味な性格で人と争うのが大の苦手だった」と言い残して選手を引退されたことを思い出します。

 ル・マン24Hにこだわるブルデーの気持ち,なんとなくわかる。「目先の勝負に固執して周りの人の望みを打ち砕くよりも,頭脳と精神力でコツコツ積み重ねたものが開花することのほうがステキだ」って思っているのかもしれません。
 私もほんとうに少しの間,モータースポーツの競技者として過ごしたことがありましたが,やはりスプリントやガチンコのレース競技にはどうしても出る気になれなくて,数時間の耐久をチームメイトたちと頭を使いながら緩急織り交ぜた戦法で勝ってやろう,ってほうがよほど楽しかったですから。

 これからも漠然と私はセバスチャン・ブルデー選手を,私の心の中のSaint-Exへの憧れに重ねてサポートして行くのだろうと思うのですが,ブルデーにはこのまま航路を見失ってしまわず,確固たる未来を再び手にしてほしいと切実に思います。

 「競技者,ドライバー」よりもやはり"Pilote de guerre",「戦う操縦士」という呼び名がふさわしい出で立ちのブルデー。彼はライバルとだけでなく,自分の中での様々な葛藤と戦う操縦士でもあり続けるのかもしれない。しかし,やはり貴方の眼差しは,まだまだ辛く苦しいかもしれないその道の先に,目指すべきものを見据えているのだろうと信じています。
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